インタビュー画像

異なる価値観を
受け入れ、
その人を信頼する

A病棟(緩和ケア病棟) - 2010年入職

H・Yさん

入職の決め手は何ですか?

私が看護師になる前から当院の緩和ケアの存在は知っていましたが、看護師になってから転職を考えたときに最初に思い浮かんだのが信愛病院でした。

全国にある緩和ケア病棟の中でも信愛病院の緩和ケア病棟は歴史が長く、音楽療法・アニマルセラピー・アロマセラピーなどの補助療法が盛んに行われていたので魅力を感じました。実際に病院見学したときのスタッフ全員の笑顔が素敵で、ここで働きたい!と決めました。

信愛病院の自慢できるところ、魅力を教えてください。

入職してまず驚いたことは、病院で「抑制廃止宣言」を掲げており、患者様の抑制をしていないことでした。前職では治療上必要であれば、身体抑制は当たり前の光景でした。

当院は、患者様の人権を最優先に考えている病院だと思います。コロナ禍でも面会を制限する病院がほとんどの中、緩和ケア病棟の面会について工夫を重ねてきました。常に患者様とご家族にとって何が大切かを考え、臨機応変に対応できる点が自慢です。

このお仕事をしていてよかったと思う時は?

2年間入院していた患者さんのことをよく覚えています。
「先に逝ってあの世でみんなの席を取っておくよ」が口癖の陽気な方でした。その方は長い間、同じ病気で退院していく患者様をたくさん見てきました。精神的にも落ち込む姿が少しずつ目立ち、辛い気持ちに寄り添うように努めてきました。病状が悪くなるにつれ、せん妄も強くなり同時に取り切れない痛みも増強してきました。

鎮静開始2日後に穏やかに永眠されましたが、今でも私の手を強く握って鎮静の話をよく聞いていた姿を思い出します。緩和ケアの醍醐味は、人生の終わりにじっくり関わることができることだと思います。

働く上で大切にしていること

「相手のありのままを受け入れること」を日々心掛けています。
人は一様ではなく多様です。正直、自分とは異なる価値観に戸惑うこともあります。拒否的な言動をぶつけられたり、難しいことを要求する患者様にはどうしても苦手意識が出てしまいます。でもそんな時こそ、なぜこの患者様はこのように発言したのか、そういう態度をとったのかを振り返って考えています。

相手の評価はひとまず脇に置き、患者様のありのままを受け入れ、その人の生き方を信頼して支えることが大切だと思います。

求職者のみなさんへのメッセージ

緩和ケア病棟は、病気が治癒して退院することはほとんどありません。旅立たれる患者様が多いと私たちも無気力になったりすることがあります。日ごろからスタッフ同士で、辛く悲しい気持ちを口にだして乗り越えています。看護で悩んだときも、一人で抱え込まずチームで考えて困難を乗り越えています。
患者様の限られた時間を私たちと一緒に支えていきませんか。