プログラム
チャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番」第1楽章より、リスト「愛の夢」より、スコットジョプリンズニューラグ、ライムライト、グリーク「ピアノ協奏曲イ短調」第1楽章より、リスト「ハンガリー狂詩曲第2番」より
ピアノ連弾の演奏でした。オーケストラの迫力ある曲から、思わずワクワクしてしまうラグタイムまで、2人の息をぴったりと合わせて演奏をしてくださいました。どの曲も“一度は聴いたことがある”という曲だったのではないでしょうか。華やかなコンサートとなりました。
みなさんは讃美歌をご存知ですか?クリスマスで歌われる『きよしこの夜』や『もろびとこぞりて』はよくご存知かもしれません。
ホスピスでは、年に2回讃美歌を歌う機会があります。1つはクリスマス、もう1つはイースターです。イースターは、イエス・キリストの復活をお祝いする時ですが、ホスピスでは聖書のお話と『いつくしみふかき」の讃美歌を歌います。
♪いつくしみ深き 友なるイエスは 罪とが憂いを とり去りたもう
こころの嘆きを 包まず述べて などかは下ろさぬ 負える重荷を
ホスピスにへご入院される時、患者さまやご家族は多くの重荷を背負ってこられます。ひとりひとりのこころの中には、人には言えない憂いや嘆きがあり、さまざまな思いを抱えつつ、一日一日を過ごしておられます。
そんな時、『いつくしみ深き』の讃美歌は、ひとりひとりのこころの中に入り込み、重荷を下ろさせてくれるのです。涙しながら歌う方、ずっと下を向いて聞いておられる方、歌われた後「温かい気持ちにさせられた」と微笑んでおっしゃる方…讃美歌が人をいやすことを知らされます。
讃美歌は不思議な力を持っています。ホスピスには讃美歌のCDもありますので、ぜひ聞いてみてはいかがでしょうか。
(チャプレン 大塚)
先日、緩和ケア病棟でひな祭りをおこないました。病棟にひな人形を飾って、入院している方、家族の方、ボランティアの方にも参加していただき、ひなあられや道明寺を食べながら、歌をうたい楽しみました。緩和ケア病棟では、季節感を楽しんでいただくために、生活感を取戻すため、このような季節の催しをおこなっています。
病棟にかざったひな人形は、写真のように立派なものです。最近では、見かけなくなってしまいました。ひな人形が病棟に飾られると、もうこんな季節になったのか、もう一年たったんだと思います。まだ、吹く風は冷たいですが、もう春は目の前になっていたのですね。
入院している方への催しですが、自分自身への癒しになっていることに気がつきます。私たちは日々仕事仕事と、季節や自然の移り変わりに目を向けることなく生活しています。季節の移り変わりが疎ましく思ったりします。おひな様を見ていると、自然の時間の流れを感じることがないまま、心を亡くして生活していたことに気付かされます。ふと、立ち止まって、ゆっくりとした自然の時間の流れを感じることは、心を亡くさないためにも必要なことなのでしょう。
昨年の3月は東北大震災があり、それまでの私達の生活が一変しました。やっと、もう、一年が過ぎてゆきました。亡くなられた方にはご冥福と被災された方に一日もはやく穏やかな生活が回復されますことをお祈りいたします。
記:医師(高世)