カテゴリー別アーカイブ: ホスピスブログ

2018年5月26日 信愛病院 家族会

2018年5月26日、第22回家族会が行われました。会は記念式と茶話会の2部からなり、今回私は初めて1部から参加をさせていただきました。

18家族、34名のご家族が家族会に参加して下さいました。式が始まるまでの間、入院中に撮らせていただいた写真をスライドにして公開すると、ご家族同士で「懐かしいね」と笑いながらお話しされたり、静かに涙を流され、写真に見入られたりと、それぞれ、様々な想いでスライドをみられていました。スタッフもご家族と同じ想いで退院された患者様を偲ぶことのできる時間となりました。

1部の開始時刻になると、退院された患者様の名前が読み上げられ、その後ご家族による献花をしていただきました。今回参加できなかったご家族、親族に代わって、医師、看護師、スタッフも献花をさせていただきました。

第1部 記念式

2部の茶話会では、医師やチャプレン、看護師などスタッフを交えて、ご家族の想いや近況を伺うことができました。私は、去年育児休暇中であったため、大半のご家族と面識がありませんでした。しかし、ご家族代表のお言葉で入院中の思い出を聞かせていただいたり、参加されたご家族から「短い時間だったけど、ここに来れてよかった」という言葉を多くいただき、少しでも良い時間を過ごして退院されたことに嬉しく感じました。

第2部 茶話会

A病棟に入院される患者様の中には、早くて数時間から数日で退院されることも少なくありません。そのため、日々の業務で患者様と関わる何気ない時間でも、翌日に同じことができるとは限りません。今回、ご家族から「こういうことができて良かった」という思い出をたくさん教えて頂くことができたため、これから入院される患者様やご家族の個別性を考えながら、”良かったこと”をケアとして広げることができたら良いなと感じました。

想いをのせて…風船を飛ばします

大切なあの人に届きますように

最後に、今回参加していただいたご家族、ご協力いただいたスタッフの方々に感謝申し上げます。

(看護師 大友)

信愛病院 ホスピスブログVol.42 新年のお茶会

皆さんこんにちは。ホスピスブログも少しお休みしていたのですが、再開をしたいと思いますので、どうぞお付き合いくださいませ。

今日は、新年のお茶会を行いました。ただいま入院中の患者さまのご家族さまよりご指導をいただきながら、スタッフも着物を着てお運びをしました。金沢の美味しいお菓子とお抹茶に患者さまも思わず笑顔がこぼれていました。

外はあいにくの雨でしたが、お正月飾りのおかげで、病棟の中は明るい雰囲気でお茶会が始まります。

20150115_1 お正月

スタッフは、着物を来てお出迎えします。作法を間違えてもご愛嬌で頑張ります。

スタッフ 羽二重、練り切り

お点前 抹茶

2014年10月18日 清瀬ホスピス緩和ケア週間2014

清瀬市は、病院が多い町と周知されていますが、その中でもホスピス緩和ケア関連の医療機関が充実しております。地域によっては、県に1~2施設しか緩和ケア病棟がないという地域もありますが、清瀬市には、3つの緩和ケア病棟、緩和ケアチームを有する病院、在宅ホスピスを行う医院などがあり、まさに“ホスピスタウン”といえます。
3人に1人はがんになる時代です。がんになると、さまざまな苦痛(痛み、吐き気、倦怠感、食欲不振、腹部のはりなど)が出現しますが、多くの患者さんは、症状を我慢して、がんの治療だけを行おうとします。また、「緩和ケアはあきらめの医療」「麻薬を使ったら終わり」といった誤解を抱いているために、緩和ケア医療を受けず、苦痛の中過ごしている方も多くいらっしゃいます。
「全ての人にホスピス緩和ケアを」をテーマに、信愛病院と信愛訪問看護ステーションほほえみは、同じ清瀬市にある東京病院、救世軍清瀬病院、複十字病院と共同で、「清瀬ホスピス緩和ケア週間2014」を開催しました。2014年8月より、パネル展示を行い、10月18日には記念講演会と祈りのコンサート、見学ツアーなどを行いました。
特設サイトで講演の様子を掲載しましたので、ご覧ください。
また、清瀬ウィッシュツリーというイベントも行い、願いが書かれた葉によって素敵な木が完成しました。

清瀬ウィッシュツリー

信愛病院 ホスピスブログ vol.41 家族会~一年を思い出しひとつづつ~

秋のお彼岸が過ぎ、やっと季節と気候が同じになりそうです。
今年も暑い夏でした。その暑い7月、「第16回家族会」がありました。5月からスタッフは準備を重ねていました。看護師の仕事は、まずご家族への案内状に挨拶文を書き添えることです。患者様ご家族のことを、お一人お一人思いだしながら、丁寧に書きます。
入院期間は短い方は数時間、永い方は6ヶ月ほどといろんな方がいらっしゃいます。言葉を添えるということは、患者様ご家族を思い出す時間となります。
この方のために、お役に立てたのか、看取りとしてはどうだったのか…
入院された日に、ご家族に「病気が治って帰られることが一番ですが、残念ながら…。でも残された時間を、何とか良い時間にできるように、良いお見送りができた。と、思っていただけるようにとお手伝いをさせていただきます。」と、お話しします。私達にできることは、できることを見つけてよい時間をもってもらうことだけです。でも、書きながら思い出すことは、患者様や懸命に介護されるご家族からいただいた“力”でした。
今年は、昨年度ホスピス病棟で旅立たれた患者様155名の26家族43名の方が、参加して下さいました。信愛教会での記念式は例年と少し違う雰囲気の記念式でした。茶話会の席は窮屈に(狭く)感じるほどでしたが、皆さんの声が響いていました。
他部署の方・ボランティアの方々のお力をお借りして無事に家族会を終えることができたことを感謝致します。
心より慰めと恵みがありますようにお祈りします。また、真摯に毎日をひとつづつ…

(看護師 踊)

家族会 家族会

家族会 家族会

信愛病院ホスピスブログ vol.40 病棟から望む風景

緩和ケア病棟は、病院建物の最上階4階にあります。他の病院の心理士が病棟に行くことを何気なく「病棟に上がる」と表現していたのを耳にしたこともありますので、緩和ケア病棟は建物の上の方にあることが多いようです。外界の喧噪から離れて、苦痛のない、充実した時間を過ごしてもらおうという配慮なのでしょう。
病棟は、北側には武蔵野の丘陵を遠くまで見渡すことができ、西側には秩父から丹沢の山々,そして遠く富士山も望むことができる絶好の場所にあります。地名が示すように、病棟のベランダに出れば梅林を目の前に見下ろすことができていたのが、最近、宅地に変わってしまったのは惜しいことです。
その向こうには鉄道が走っていて、電車が頻繁に行き来しているのが見えます。黄色い古い型の車両、流線型をした銀色の新型車両、素早く駆け抜けていく特急電車。患者さんやご家族のさまざまな思いを乗せて今日も行き来しています。   (カウンセラー 笠井)
ベランダからの景色

 

信愛病院 ホスピスブログ Vol.39 いつくしみ深き

みなさんは讃美歌をご存知ですか?クリスマスで歌われる『きよしこの夜』や『もろびとこぞりて』はよくご存知かもしれません。
ホスピスでは、年に2回讃美歌を歌う機会があります。1つはクリスマス、もう1つはイースターです。イースターは、イエス・キリストの復活をお祝いする時ですが、ホスピスでは聖書のお話と『いつくしみふかき」の讃美歌を歌います。

♪いつくしみ深き 友なるイエスは 罪とが憂いを とり去りたもう
こころの嘆きを 包まず述べて などかは下ろさぬ 負える重荷を

 ホスピスにへご入院される時、患者さまやご家族は多くの重荷を背負ってこられます。ひとりひとりのこころの中には、人には言えない憂いや嘆きがあり、さまざまな思いを抱えつつ、一日一日を過ごしておられます。イースター

そんな時、『いつくしみ深き』の讃美歌は、ひとりひとりのこころの中に入り込み、重荷を下ろさせてくれるのです。涙しながら歌う方、ずっと下を向いて聞いておられる方、歌われた後「温かい気持ちにさせられた」と微笑んでおっしゃる方…讃美歌が人をいやすことを知らされます。
讃美歌は不思議な力を持っています。ホスピスには讃美歌のCDもありますので、ぜひ聞いてみてはいかがでしょうか。

(チャプレン 大塚)

信愛病院ホスピスブログ Vol.38 ひな人形に思いを寄せて

お茶先日、緩和ケア病棟でひな祭りをおこないました。病棟にひな人形を飾って、入院している方、家族の方、ボランティアの方にも参加していただき、ひなあられや道明寺を食べながら、歌をうたい楽しみました。緩和ケア病棟では、季節感を楽しんでいただくために、生活感を取戻すため、このような季節の催しをおこなっています。

病棟にかざったひな人形は、写真のように立派なものです。最近では、見かけなくなってしまいました。ひな人形が病棟に飾られると、もうこんな季節になったのか、もう一年たったんだと思います。まだ、吹く風は冷たいですが、もう春は目の前になっていたのですね。

入院している方への催しですが、自分自身への癒しになっていることに気がつきます。私たちは日々仕事仕事と、季節や自然の移り変わりに目を向けることなく生活しています。季節の移り変わりが疎ましく思ったりします。おひな様を見ていると、自然の時間の流れを感じることがないまま、心を亡くひな人形して生活していたことに気付かされます。ふと、立ち止まって、ゆっくりとした自然の時間の流れを感じることは、心を亡くさないためにも必要なことなのでしょう。

昨年の3月は東北大震災があり、それまでの私達の生活が一変しました。やっと、もう、一年が過ぎてゆきました。亡くなられた方にはご冥福と被災された方に一日もはやく穏やかな生活が回復されますことをお祈りいたします。

記:医師(高世)

信愛病院ホスピスブログ Vol.37 待ち遠しい訪問者(?)

当院の補助療法ボランティアとして位置づけられているものに動物触れ合い活動(動物介在活動)があります。平成9年9月から月1回実施されてきた活動で、公益社団法人日本動物病院福祉協会(JAHA)の御協力で獣医師と会員のボランティアさんが動物達をつれて病棟を訪れてくださいます。

動物達は一般家庭で飼われている室内犬や猫達(大きさも種類も様々です)で、家族として大切に育てられ躾もされている動物達です。無駄吠えはせず人に触れられても大人しい動物達です。腸内細菌の検査をすませ、病院を訪問する前日にはシャンプーをして来院します。

患者様は自宅で犬や猫を飼っていた方もいて、久しぶりに触れる動物のぬくもりに安心や、やすらぎ、懐かしさ等様々なやさしい感情が芽生え、普段職員にはなかなか引き出せない最高の笑顔や、時には涙ぐむ姿まで見られることがあります。「動物だけにできるマジック」と我々職員は話しています。

動物達が見せるパフォーマンスに一喜一憂する患者様とご家族、もちろん職員も、30分位の短い時間ですが、待ちに待ったひとときとなっています。また、当院の緩和ケア病棟では、ご自宅でお飼いになっている犬や猫をお連れになることができます。ご自宅にいる時と同じように愛犬や猫と共に過ごせることは患者様にとって何より大切な時間となることでしょう。

ハンドラーと訪問者